とりあえずコード書けよ

技術的なことの備忘録。

バビロン見終わった【ネタバレ含む】

バビロン見終わった。

最終回で一気に酷評の嵐になってしまったのだけど、個人的にはとても面白かった。

 

この作品、テーマとしては結局終始、「善とは?悪とは?」って部分で、勧善懲悪的なものだったりとか、サスペンスって感じじゃないのではないのかなという気がしてる。

アレックスと正崎さんは善のメタファーで、曲世は悪のメタファーとして、作品上に存在しているということなんだと思う。(後述するけど、この善悪の定義もそもそも間違っている可能性はある)

そうなると、批判でよく見かける曲世の謎能力で萎えた、みたいな話に関してはあくまで曲世を悪たらしめる為のギミックだから、極端な話、ぶっちゃけどんな能力でもなんでも良いんじゃなかろうか。(ここでは自殺を起点に善悪の議題へ発展させるために、たまたま自殺に追い込めるってだけなのかと)

 

超雑な話の流れとしては「自殺は悪いことなのか?」という問題提起に対して、善のメタファーの二人が出した答えは「そもそも善悪とは?」といった問題に発展して、結論としては「善=続くこと」だった。

その結論を出した二人は、曲世と相対した結果二人とも死亡してしまい(正崎さんはたぶんだけど)、最後に曲世は正崎さんの子供と接触する、っていう一見するとバッドエンドっぽい終わりを迎える。

 

って感じで、これは結構衝撃的なオチだったんだけど、このアレックスと正崎さんが曲世によって死ぬ、ってのはたぶん「善=続くこと」という見解が矛盾を孕んでいるということの表現なんだと思われる。

 

正崎さんはアレックスと話をするなかで、曲世を殺すといったわけだけど、その後出した結論からすると、矛盾が生まれる。だから、曲世を殺すことはできなかった、ってことなのかなと。

つまり、「悪が続くことは善なのか?」っていう矛盾を解消できないんだと思う。

一方、自殺法の掲げる終わる権利、終わること=善、っていうのは矛盾が無い以上、一つの善として成り立ってしまうんじゃないかな。

 

アレックス、正崎さん死ぬ。曲世生き残る。っていうのは一見バッドエンドなんだけれども、善として矛盾が無いのは自殺法サイドなわけで、そう考えると曲世が生き残るのはある種必然だし、ハッピーエンドとも取れてしまうのではないかな。

 

最近よく、芸能人の不倫報道とかに外野がやたらめったらどうこう言う、みたいなケースを多く見かける。ただ、これはあくまで日本だからそうなだけで、一夫多妻制の国だったら、そうはならないのではなかろうか。

 

善悪の倫理観は人それぞれあるし、その善・正義を振りかざすのは自由だけど、そこに矛盾が無い人はどのぐらいいるのか。

また、人類共通の善悪の定義は存在するのか?

 

そんなことを野崎まど氏はバビロンを通して問うているのかなとも思ったりした。

自分なりに穿った見方をしただけなので、異論はたくさんあると思うけど、とにかく個人的には面白かった。